『ダム・マネー』見てきたよ!ヽ(´▽`)/

投資に関する映画があるとのことで、見てきました。
「ダム・マネー ウォール街を狙え!」って映画です。

あー面白かった。

これはある個人投資家が、倒産しそうなゲーム会社の株に惚れてある会社の株を投資し、そしてそれをRedditというSNSに投稿して買い支えたりなんだったりかんだったりという映画。

予告編動画置いときますね。

メインビジュアル、ドル札の山が中指立ててる形で面白い。

見た感想はいくつかに及びます。以下ネタバレあり。

株について・経済について知識がなくてもある程度は面白い

これ、まずは全て事実なんだそうですね。それを元に作られているという。最初から最後までぜーんぶ丸っと含めて株の話なので、株投資をやる側にはとても刺激的な内容でした。

株についての映画なので、株に関する知識があればなお面白いでしょう。でも株の知識がなくても、経済について疎い人でも、ある程度は面白いと思えるのではないでしょうか。

ストーリーは、簡単に言えば「弱い個人の集合した意志によって巨悪を倒す話」です。根も葉もない表現をしてしまえば「スカッとジャパンな話」です。
ここでの個人はそのまま個人投資家、巨悪とは機関投資家や資産家。ある個人が行うことに個人が呼応して大きな資金力のある投資家・機関投資家に一泡吹かせ、社会を変える、という。

こういう話、庶民は好きじゃないですか。私は庶民なので最後まで楽しく鑑賞してました。
てなわけで個人投資家や庶民の人、仮に億り人になったとしても地味にコツコツ投資してる人たちは好きな映画だと思います。

演技もキャラクターも分かりやすい

また、役者の演技がわかりやすい。俳優を見ているだけでも、これがいいことなのか悪いことなのか、アホっぽいことなのか、本気と書いてマジと読む局面なのか理解できるわけです。
主人公が真意を告げる際に伝える言葉を見て、瞳が心の底から本気なんだなと分かるのです。それが胸を打つ。

各キャラクターの背景もビジュアルも明確に描かれているので、パッと見て「ああ、こういう人だ」ってことが厭味ったらしいほど語られており、それがスカッとジャパンに繋がります。

演出もわかりやすくとっつきやすく。
音楽が現代的だったり、ポップな展開や練られた脚本・演出が面白い。

ただ、知識があったほうがいいのは間違いない

ちなみにこの映画を見た投資家や映画評論家などの感想も貼り出されていましたが「株はやっぱりよくわからない」という文章もありましたね。
また、映画レビューサイトでは露骨に株アレルギー・投資アレルギーを発症してるレビューも見かけました。

予備知識の有無によって感覚や感想もかなり変わるのでしょう。
映画の中でちまちま株投資や空売りへの解説っぽいシーンはありますけれど、それだけで理解しきれるとは思えないな、とも思ったりしました。

何より、投資やってるから理解できるとも限らないかも。
投資家といっても、空売りなんて関係ない投資家からすればよく分からんってなりがち。空売りやらない人からすれば、そういう制度があるとしか知らないものですし。

経済映画が主軸だが、SNSやコロナ禍などの今の私たちに通じるドキュメンタリーな部分もあり

そして見終わって思ったのですが、面白いけど時に胸が痛くなるところもありました。

というのも、2020年からのコロナ禍があり、人生が大きく変わった人も多いわけです。
私も「あの時あんなことが起きなければ、人生もっと違ってただろうな(´・ω・)」って思う時もありますもん。そういう胸が痛くなるところに、主人公への共感を持つきっかけにもなります。

特に主人公は2020年からの世界不安だけではなく、それ以前にも様々な経済・世間の事情をモロに喰らっているわけです。
主人公の過去について語られる時、いろいろと思うところはやっぱりあります。人生の重要な局面で世情が悪いがために最良の選択が取れなかったり、恵まれなかったり。そういう局面を体験した人は、自分の過去に重ねて感じ取るものはあるのではないでしょうか。

ドキュメンタリーの中にいろんな人が出てくる

出てくる人たちも、割と親近感があります。
中には投資家ではない人もいるし、アメリカで働きながら「投資なんてやめとけ」と意見する人も出てきます。アメリカ人って株式投資に積極的なイメージがあったので、こういう人がいるのは意外。(話す相手が相手だったからかもしれませんが)

そして貧乏人・一般人・個人投資家と、お金持ち・ビリオネア・人の上に立つ人たち・機関投資家という明確な対比も描かれています。
ビリオネアの描写も明確ですが、車やパーティー、いざという時の対策などもだいぶ全く違う。

これらの描写が変わることも

そして、これを裏返すこともできる。
それが作中で描かれたSNSを通した活動であり、物語後半に訪れる逆境とそれを救ってくれる人たちということでもあります。ただ淘汰されダムマネー呼ばわりされ消費されるだけではなく、個人投資家・一般人だからこそ効くし、ストーリー展開の中で展開されるものがあります。
前半に上流と庶民の対比がこれでもかと描かれており、上の人たちは上にいるからこそ色々なものが見えて、資金や制度的にいろんな手が打てる。それに翻弄される下流がどうやって太刀打ちしていくかがまた面白い。

(たまに日本の株式市場について語られる時、東証の慈悲深さについて語られることがありますよね。アメリカの場合はちゃんと仕事してるなってつくづく思いましたが、これは投資家側も動いた結果のようですし)

また、個人投資家の方向や空売りに関してのこと、そしてそれがウォール街や証券界隈にもたらした現象など、いろんなことが描かれていました。最後まで見てスカッとするかもやっとするかはその人次第ではないでしょうか。

最後に:最後まで面白い映画だった

「個人投資家のスカッとジャパン、ならぬスカッと米株!」って感じ。
こういう話、みんな好きよねぇって思いながらも、見せ方がわかりやすくストーリーは明確ですので、最後まで楽しく見ていました。

個人的には各人物の投資額や資産額が出てくるのですが、それがドル表記なので「日本円だといくらなんだろう」ってのが気になりました。2021−2022年のあたりのドル円相場って荒れてたような気がする。それが異国感を出している部分もあり、一方で大金ぽいけどピンと来ないなって時もあり。

しかし、この主人公の投資スタイルはなんともいえません。
いくら企業に愛情や思い入れがあるからといって、ここまではできないなぁ。できたらすごいわ。
もしこれが日本で起こるとすれば、ネット掲示板かSNSか……なんてことも考えてしまいます。ユーチューバーの煽りにはなかなか乗らない人も多いので、なかなかうまく行かないかもしれませんが。

余談:映画上映前後に映画館の壁面POPをチェック

そういえば、映画を見る前に映画館をプラプラしてポスターやチラシをチェックしていたら、ダム・マネーについての映画の感想のPOPもありました。

それを見ていてびっくり。
桐谷さんがコメントを寄せていました!ヽ(=´▽`=)ノ
まあ、桐谷さんが見たのも知ってますけれど。

その他にも、有名な投資家さんなどのコメントも寄せられており、それらが壁に貼ってありました。

訪れた映画館がたまたまそういう工夫をしているところだったからかもしれません。でも、もしかしたら映画館に掲示してあるかもしれませんので、見に行った時にチェックしてみましょう。